第10回東京国際映画祭(だい10かいとうきょうこくさいえいがさい)は、1997年11月1日(土)から11月10日(日)の10日間に開催された東京国際映画祭。
概要
東京の渋谷で11月上旬に開催された。第2回(1987年)~第9回(1996年)までは9月下旬から10月頭にかけて開催されていたが、この第10回以降の年は開催時期が1カ月遅くなった。
会場には、オーチャードホール、シアターコクーン、ル・シネマ1、2(以上Bunkamura内)、渋谷公会堂、シネセゾン渋谷、渋東シネタワー1、パルコ SPACE PART3(渋谷PARCO part3 最上階)、渋谷ジョイシネマ(現・渋谷HUMAXシネマ)、代々木アニメーション学院 原宿校大ホールが使われた。
この第10回から、アジア作品を中心とした「シネマプリズム」部門と「アジア映画賞」が作られた。「シネマプリズム」部門は第14回(2001年)まで続き、第15回(2002年)からは「アジアの風」部門に代わった。また、第2回(1987年)には「アジア太平洋秀作映画祭」が、第3回(1989年)~第9回(1996年)には「アジア秀作映画週間」があった。
それまでのヤングシネマ受賞監督の最新作上映、ロシアで上映プリントが保存されているのが発見された日本映画の上映、1997年に亡くなった映画人の回顧上映なども行われた。
東京グランプリには『パーフェクト サークル』と『ビヨンド・サイレンス』が輝いた。グランプリが2作品同時受賞になったのは、東京国際映画祭史上初めて。
審査委員より特別功労賞が、インターナショナル・コンペティション部門に監督作を出品していた当時88歳のマノエル・ド・オリヴェイラ監督に贈られた(ただし、特別功労賞が発表されるクロージングの授賞式の前に帰国してしまっていた)。
協賛企画として「ジャックスカード東京国際ファンタスティック映画祭'97」(第13回)、「カネボウ国際女性映画週間」(第10回)、「萬屋錦之介の世界展」、「草乃しずか 夢刺繍展」が行われた。
受賞結果
- インターナショナル・コンペティション
- 東京グランプリ・都知事賞:
- 『パーフェクト サークル』(監督:アデミル・ケノヴィッチ、劇場公開題『パーフェクトサークル』)
- 『ビヨンド・サイレンス』(監督:カロリーヌ・リンク)
- 審査員特別賞: 『ブラス!』(監督:マーク・ハーマン)
- 最優秀監督賞: アデミル・ケノヴィッチ(『パーフェクト サークル』)
- 最優秀脚本賞: カロリーヌ・リンク、ベス・ゼルリン(『ビヨンド・サイレンス』)
- 最優秀女優賞:
- ルネ・リュウ(『青春のつぶやき』)
- ツェン・ジン(『青春のつぶやき』)
- 最優秀男優賞: 役所広司(『CURE キュア』)
- 最優秀芸術貢献賞: 『女たちの反乱』(監督:アダマ・ドラボ、撮影監督:リオネル・クズン)
- 特別功労賞: マノエル・デ・オリヴェイラ監督(『世界の始まりへの旅(原題)』、劇場公開題『世界の始まりへの旅』)
- ヤングシネマ1997コンペティション
- 東京ゴールド賞・都知事賞: パルヴィズ・シャバァズィ監督(『南から来た少年』)
- 東京シルバー賞: ポール・シュレットアウネ監督(『ジャンク・メール』)
- 東京ブロンズ賞: ティム・ブレイク・ネルソン監督(『神の目』)
- アジア映画賞1997: 『バッド・ムービー』(監督:チャン・ソヌ)
審査員
インターナショナル・コンペティション
- 審査委員長
- ソウル・ゼインツ(プロデューサー )
- 審査員
- インナ・チュリコヴァ(女優)
- バーバラ・スコヴァ(女優)
- アッバス・キアロスタミ(映画監督)
- 深作欣二(映画監督)
ヤングシネマ・コンペティション
- 審査委員長
- ユーセフ・シャヒーン(映画監督、プロデューサー)
- 審査員
- マムター・シャンカル(女優)
- マックス・テシエ(映画評論家)
- アキ・カウリスマキ(映画監督)
- 栗原小巻(女優)
上映作品
インターナショナル・コンペティション
ヤングシネマ・コンペティション
特別招待作品
マルチェロ・マストロヤンニ特集
シネマプリズム
ニッポン・シネマ・クラシック
特別上映
外部リンク
- 第10回東京国際映画祭 - 東京国際映画祭 | 映画祭の歴史 - ユニジャパンによるページ
- 東京国際映画祭(公式サイト) - ウェイバックマシン(1998年6月30日アーカイブ分)



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